第44号 程度が低い―安倍首相の幼稚な答弁と議論

昔あったづもな通信 第44号
小澤俊夫

程度が低いー安倍首相の幼稚な答弁と議論
 現在国会に提出されている「安保法制」諸案について、衆議院特別委員会と党首討論で、安倍首相は岡田氏や志位氏に、べらべらとしゃべりまくっている。だが質問に対して何ひとつ明確に答えない。委員長に「簡潔に」と注意されても、べらべらしゃべることをやめない。しかもよく聞いていると、実はその言葉は空虚で、世間話のレベルに聞こえる。
 「国民の安全と幸福な生活を守ることが政府の責任であります」と大声で言う。だがそんなこと、当たり前じゃないか。その中身はというと、相変わらず「ホルムズ海峡が封鎖されたら大変だから、戦争中でも掃海作業をするのだ」という。
 確かに、数年前にはイランとアメリカが鋭く対立し、海峡封鎖が問題になったころはあった。だが、現在ではそのイランとアメリカは雪解けムードで、海峡封鎖など全く話題になっていない。安倍首相はよく、「国際情勢の急激な変化に対応して、安保体制を整える」と言っているが、本当は、現在の国際情勢は見ないことにしているのではないか。安倍首相を支える官僚、政治家は、現在の国際情勢を正確に分析し、安倍首相に伝えることを怠っているのではないか。批判する側も、ホルムズ海峡の政治的意味の変化を政府が認識していないことを取り上げるべきだと思う。
 そして、一方では、アメリカで、いわゆる「シェールガス」の生産量が上がり、今や、アメリカは世界最大の産油国になってきている。現在ではまだシェールガスの輸出は認められていないそうだが、いずれは、経済的理由から輸出するだろう。そうなったら、ホルムズ海峡だけが日本の生命線というわけではなくなる。この国際情勢の変化も、安倍首相の答弁には反映されていない。安倍首相を取りまく官僚たちは、実は大変怠慢なのではないか。
 そして、日本国民は一刻も早く原子力発電を廃止して、再生可能エネルギーを開発することを求めている。ホルムズ海峡が日本の生命線だという古い固定観念を捨てて、太陽光、風力、海流などの再生可能エネルギーの開発に国家予算をつぎ込むべきである。膨大な軍事費から見えれば、そのための出費はたいしたことではないはずだ。
 
平和憲法を掲げた平和外交を展開すべきである
安倍首相の答弁を聞いていると、日本の安全を守るのは戦力に頼るだけだという固定観念に縛られていることを感じる。法案の名前にはいずれも「平和」という言葉が冠せられているが、いずれも「平和を守るための戦争法案」である。
 この「平和を守るために戦争が必要だ」という考え方は、日本が1937年に中国との戦争を始めた時にも、1941年に太平洋戦争を始めた時にも叫ばれた考え方であった。
 いや、日本ばかりではない。1964年、アメリカがベトナム戦争に本格介入した時にも「東南アジアにおける国際平和と安全の維持」が重要だと言った。「平和」という言葉は常に戦争を正当化するために使われてきた。今また安倍首相は、歴史に学ぶことなく、「積極的平和主義」という言葉で、戦争準備を整えようとしているのである。
 だが、戦争への準備としての「平和」でなく、本当の平和で国の安全を守る道があるではないか。我が国は、300万人の日本人の命と、3000万人のアジア人の命を犠牲にして、「平和憲法」を獲得したのである。そして、この70年間戦争をしたことがなかった。そして、アジア、中近東、アフリカなどの発展途上国に、経済的、文化的、医学的に貢献して、それにふさわしい信頼を獲得してきた。そして、アメリカともロシアとも中国とも、経済的、文化的、科学的にかなり深い付き合いをしてきている。そういうなかで、外交力を発揮して自国の平和を守る道があるはずだ。なぜその道を追求しないのか。
 政府・自民党は、尖閣諸島問題をクローズアップして、今にも中国と争いが起きるような雰囲気を日本国内に広めているが、今こそ外交力を発揮するべき時ではないか。今や世界は、20世紀初頭のように、領土問題で簡単に戦火を交えられる状況ではない。戦争力がお互いに進歩しすぎていて、簡単に戦火を交える状況でないことは、外交に携わっている者はみんな知っているはずである。
 そして、政府・与党は北朝鮮の危険性を強調するが、あの国が日本に攻撃を仕掛けてくることは、あの国にとって自殺行為である。それはできない。北朝鮮の問題も、外交努力で平和的に解決するべきである。
 それにもかかわらず、安倍首相とその周辺の官僚、政治家たちは、安倍首相に古い観念を叩き込んでいるのだろう。安倍首相自身には、そういう広い歴史観、世界観をもつ能力がないから、安倍首相の答弁は古ぶるしい、幼稚な答弁になるのである。中身がないから、べらべらとたくさんしゃべらないと、もたない。
 こんな幼稚な人間を首相にもった日本は全く危ない。とにかく今の「戦争法案」を廃案にもちこまなければならない。(2015.6.19)
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第43号 政府の「戦争法案」は完全に憲法違反である

昔あったづもな通信 第43号
小澤俊夫

政府の「戦争法案」は完全に憲法違反である。
 衆議院の憲法審査会で、各党から推薦を受けた憲法学者たち三人が意見を述べたが、三人とも、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案は「違憲である」と批判した。しかも、自民党推薦の参考人である長谷部恭男早稲田大学教授さえも「違憲である」と述べたのである。
 憲法学の専門家の意見を待たなくても、常識のある人間なら誰でも違憲だと感じている。自民党の中でもおかしいと感じている議員がいるらしい。かつての自民党総裁で、衆議院議長も務めた河野洋平氏までがはっきり、おかしいと言いだしたので、いままで安倍首相の顔色を窺っていた平の議員たちの間でも動揺が広がっていることだろう。
 しかし、政治家を頼りにできないことは、我々はとっくに知っている。庶民の力を示そう。それぞれ、住んでいるところで、可能な限り、可能な方法で意思表示しよう。このまま「戦争できる国」に戻ってしまったら、我々の子ども、孫、子孫を苦しめることになる。「おじいちゃんとおばあちゃん、そのとき、なんで反対しなかったの?」
 昭和の初め、庶民の力を結集できなかったために、軍部の独走を許してしまった。そしてあの悲惨な戦争に突っ込んでいった。車が坂道を走り出したら止められない。今、走り出す直前だが、今、止めなければならない。
 日本の各地で「戦争法案をとめよう」という集会やデモが行われている。どこででもいいから参加して、自分の意思を示そう。参加できなかったら、応援のカンパでもいいと思う。
 知人、友人との会話の中で、この問題を話し合うだけでも、意見が広がっていく。
 6月7日の朝日新聞に全面広告が出ていたが、東京では連続で国会包囲行動があるそうだ。「とめよう、戦争法案。集まろう国会へ」
 6月14日、日曜日。14時から15時30分まで。
 6月24日、水曜日。18:30分から20時まで。
その他、各地で行動があるから、みんなで参加しよう。声を挙げよう。マスコミも無視できないほどに。
「総がかり行動通信」と検索すると、各地の詳しいことがわかる。是非、情報を手に入れてもらいたい。(2015.6.10)

第42号 われわれの魂を揺り動かす沖縄県民大会決議文

昔あったづもな通信第42号
小澤俊夫

われわれの魂を揺り動かす沖縄県民大会決議文
 去る五月十七日、那覇市で辺野古新基地反対の県民大会が開かれ、35000人の大集会になったとのことである。もともと自民党系だった翁長知事が先頭にたっての新基地反対運動なので、今や沖縄県民全体の意思表示になってきた。いや、この問題は日本人全体の問題なのである。決議文では「もはや『辺野古』は沖縄だけの問題ではない。私たちは今、この国の民主主義の在り方を問うている」と叫んでいる。そして、「今新基地建設を止めなければいつ止めるのか」と日本人全体に呼びかけている。ぼくは、この決議文に心の底から揺り動かされた。
各新聞は県民大会の事実は報道したが、決議文全文はほとんどの新聞が掲載しなかった。ぼくが知る限りでは、全文を掲載したのは東京新聞だけだった。この決議文は、日本が民主主義国であり続けられるかどうかの瀬戸際の文書だと思うので、小さな「昔あったづもな通信」ながら、全文を掲載して、できる限り多くの人に読んでもらいたいし、保存しておいてもらいたいと思う。
そして、本土から直接力を貸せる手段として、「辺野古基金」への献金があるので、その送り先も末尾に記しておく。(2015.6.2)
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沖縄県民大会決議全文

今年は戦後七十年の節目の年である。私たち沖縄県民は悲惨な地上戦により住民の四人に一人が犠牲となった。戦後二十七年間は米軍占領統治下に置かれ、日本国憲法は適用されなかった。本土復帰から四十三年目を迎える今も、米軍基地あるが故の事件や事故に苦しみ続けている。私たち県民は長年にわたり、自ら望んでもってきたわけではない米軍基地を挟み、「容認派・反対派」と県民同士が対立し、分断され続けてきた。
こうした中、昨年の名護市長選挙、名護市議選挙、県知事選挙、衆議院選挙の沖縄四選挙区の全てで、米軍普天間基地移設に伴う名護市辺野古への新基地建設反対の圧倒的民意が示された。ところが、安倍政権は、前知事が公約を翻し行った公有水面埋め立て承認を盾に、民意を無視して辺野古新基地建設を「粛々」と強行している。
翁長雄志県知事による海上作業の停止指示を無視し、反対する市民に対しては、海上保安庁や沖縄防衛局による過剰警備によって弾圧を加えている。また、去る四月二十八日、県民にとっての屈辱の日には、日米首脳会談において辺野古新基地建設推進を再確認している。
こうした日米両政府の姿勢は、「自治は神話だ」と言い放った米軍占領統治下の圧政と何も変わらない。県民の意思を侮辱し、日本の民主主義と地方自治の根幹を破壊する暴挙である。もはや「辺野古」は沖縄だけの問題ではない。私たちは今、この国の民主主義の在り方を問うている。
私たち県民は自ら基地を提供したことは一度もない。普天間基地も住民が収容所に入れられている間に建設され、その後も銃剣とブルドーザーによる土地の強制接収によって拡張されてきた。これは占領下においても私有財産の没収を禁じたハーグ陸戦法規に明白に違反するものである。国際法に違反し造られた米軍普天間基地は閉鎖・撤去こそが「唯一の解決策」である。
辺野古新基地建設をめぐるこの十九年間において、今まさに正念場である。今新基地建設を止めなければいつ止めるのか。私たち県民は二〇一三年一月に安倍首相に提出した建白書を総意として「オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」を強く求めている。
保革を超えて私たち県民がつくりあげた、この沖縄の新たな海鳴りは、沖縄と日本の未来を拓く大きな潮流へと発展しつつある。道理と正義は私たちにあり、辺野古に基地を造ることは不可能である。子どもたちや孫たち、これから生まれてくる次の世代のためにも、私たち県民は決して屈せず、新基地建設を断念させるまで闘うことをここに宣言する。
よって、日米両政府は沖縄県民の民意に従い、米軍普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設・県内移設を断念するよう強く要求する。以上、決議する。
二〇一五年五月一七日  戦後70年 止めよう辺野古新基地建設!沖縄県民大会

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辺野古基金の送金先
ゆうちょ銀行 店番:708 口座番号:1365941 「辺野古基金」
コザ信用金庫 那覇支店 口座番号:2032531   「辺野古基金」
琉球銀行 県庁出張所 店番:251 口座番号:185920 「辺野古基金」
沖縄銀行 県庁出張所 店番;012 口座番号:1292772 「辺野古基金」
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