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第57号 司法とメディアの支配は戦争中の状態にまた一歩近づいた

昔あったづもな通信 第57号
小澤俊夫

司法とメディアの支配は戦争中の状態にまた一歩近づいた
 福井地方裁判所の樋口英明裁判長は、関西電力高浜原発3,4号機の再稼働を巡り、2015年4月15日、運転を禁じる仮処分決定を出した。原発再稼働の新規制基準は「緩やかに過ぎ、合理性を欠く」と指摘し、新基準を満たしても安全性は確保されないと判断したのである。
 ところが関西電力は同地裁に異議を申し立てた。そして同じ年の12月24日に同じ福井地裁で、林潤裁判長が4月の判決取り消しの判決を出したのである。原子力規制委員会の新規制基準に基づく判断は「不合理な点はなく、高浜原発3,4号機の安全性に欠ける点はない」と判断し、「(周辺住民の)人格権を侵害する具体的危険は認められない」と結論付けたのである。
 この裁判では、同じ裁判所が正反対の判決を出したことになる。再稼働禁止の判決を出した樋口英明裁判官は、4月の判決後、名古屋家庭裁判所に配置換えされた。裁判所という密室内の出来事なので国民の注目は浴びなかったし、通常の異動の形をとってはいるが、裁判所内では、政府の「原発再稼働」方針に邪魔な裁判官は家庭裁判所にとばされたのであろう。
 その後任は、安倍政権の方針に忠実な裁判官が当てられたのである。建前としては三権分立ということになっているが、最高裁判所裁判官のうち、最高裁判所長官は内閣の指名に基づき天皇が任命する。最高裁判所判事の任命は内閣が行い、天皇が認証する。
 政治家のほうが良識人であれば、三権分立は守られるだろうが、現在の安倍政権は、大多数の憲法学者が違憲と判断した「安保法案」を国会で強行採決するような反知性丸出しの政治家集団だから、政府の方針に反する裁判官には、陰に陽に圧力をかけるのだろう。政府が裁判所を抑えたら恐ろしいことになる。戦争中の状態に極めて近づいてきたと思う。

「ニュース23」と「報道ステーション」のメインキャスター降板
 国会での戦争法案審議の時期、TBSテレビ「ニュース23」のメインキャスター岸井成格(しげただ)とテレビ朝日「報道ステーション」のメインキャスター古館伊知郎は精いっぱい、ジャーナリストとしての権力批判を述べていた。だがその二人とも、降板となった。安倍政権による具体的攻撃が始まったのである。安倍政権はこれまで報道各社を呼びつけて、いろいろな形の圧力を加えてきていたが、ついに、有力なキャスター二人を狙い撃ちして降板させることに成功したのである。安倍政権は夏の参議院選挙に向けて、国民の歓心を買う政策をこれから次々と出してくる。マスメディアはそれを用心深く報道してくれなければならないはずだが、成井、古館キャスターが葬り去られた後の番組は、次第に政権寄りの報道の仕方に変化していくのではないだろうか。そこは、われわれ視聴者が厳しく監視していかなければならないのである。
 裁判所への無言の介入とメディアへの公然たる圧力。日本は戦争国家へと、また一歩踏み込んだ。それを食い止めるには、次の参議院選挙が正念場である。(2016.1.3)
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