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第34号 自衛隊の文民統制を外すことの危険性

昔あったづもな通信 第34号
小澤俊夫

自衛隊の文民統制を外すことの危険性                
安倍内閣は防衛省の組織を改編し、「運用企画局」を廃止して、「統合幕僚監部」が自衛隊の部隊運用を一元的に進める案を国会に提出している。部隊の運用は現在、文官である運用企画局長―同じく文官である事務次官―防衛大臣の線で行われているが、改正案では、自衛官のトップである統合幕僚長が直接に防衛大臣を補佐することになる。運用の迅速化と効率化のためと説明されているが、これは自衛隊の作戦運用を軍人である統合幕僚長の専権事項にするということで、極めて危険である。
敗戦まで、日本では「統帥権の独立」という概念があった。「統帥権」はもちろん天皇にあったのだが、実際の軍の運用は陸軍大臣、海軍大臣、そして陸海の参謀総長に任されていた。天皇は軍の実際の運用など知るわけがないから、自然にそうなっていた。その結果、陸軍が満州事変を起こし、支那事変へと発展させ、ついには日中全面戦争にまで発展させてしまったのである。「統帥権」はあくまで天皇にあったのだが、実体としては軍人たちが進めていった。
国会中継を見ていると、安倍首相は「自衛隊の最高指揮官は総理大臣ですから、それで文民統制は完結しているわけであります」と答弁していたが、総理大臣が実際の軍の運用を知っているわけがないのだから、この発言は全くの言い逃れである。言葉の上での「完結」に過ぎない。
軍人は戦争があるほうが仕事になるから、すべてを戦争向けに考える。現在、日本と中国に間には、いわゆる「尖閣諸島問題」があり、一触即発の状態という。こういう時に自衛隊の運用を軍人に任せたら、極めて危険なことになる。
逆に言うと、自衛隊の幹部たちは、尖閣諸島問題が危険状態にあるから、即座に軍事的に対応できるシステムを作っておきたいのだろう。改正案の「統合幕僚長」が実現したら、尖閣諸島を巡って中国がちょっとした刺激を起こしたら、自衛隊はすぐ出動するかもしれない。小競り合いである。支那事変のきっかけになった盧溝橋事件のような小競り合いが起きるかもしれない。今日の新聞によると、安倍首相は「存立危険事態」など、衝突を起こせる状態を探っているようである。

「文民統制」は軍人の暴走を許した戦前、戦中の苦い経験から生まれたものである。
一九五〇年、警察予備隊が創設されたとき、満州事変以来の、軍人の暴走を許した苦い、苦い経験から、「文民統制」という考え方が言われ、それ以来の日本で確立してきた思想である。そして、憲法でも六六条、2項に「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と規定されたのである。
ところが現在の中谷防衛大臣は防衛大学校出身の自衛隊幹部だった。これは憲法の精神に反するのではないか。職業軍人でも軍服を脱いだら文民と言えるのか。
法律的には問題ないのかもしれない。しかし憲法の精神を重んずれば、かつて軍人だった者を閣僚に任命することは避けるべきではないのか。マスコミはそれをチェックする役割を持っているのではないか。

中谷防衛大臣曰く「その後、生まれたわけで、当時、どういう趣旨かどうかはわからない」
これは前号でも批判したことだが、あまりにひどい発言なので、もう一度批判したい。自分が生まれる前のことには責任は負わない、と言っているのだが、それが通用するなら、現在の憲法が制定されたときには自分は生まれていないからわからない、と言えることになる。そんなことは絶対に通用しない。いわんや、大臣という責任ある人間として絶対に認められない発言である。
マスメディアがその点を追及しないこと自体が、大問題である。通り一遍の記事で済ませていい問題ではない。マスメディアが馬鹿にされていることに気づかなければならない。このようなひとつひとつの場面でマスメディアが馬鹿にされているうちに、政治家はマスメディアの批判なんぞ、まったく気にしなくなる。挙句の果てには秘密保護法で口を封じられる。マスメディアの弱体化が今日の日本の重大問題だと思う。

「文民統制」は譲れない基本思想だが、その文民自体が好戦的である場合は最悪である。
「文民統制」は憲法に明記された、民主主義国家の基本思想である。しかし、自衛隊の最高指揮官が「文民」でありさえすればいいということではない。それは現在の安倍首相を見ればわかることである。先に指摘したように、安倍首相は国会の予算委員会で、「自衛隊の最高指揮官は総理大臣ですから、それで自衛隊の文民統制は完結しているわけであります」と答弁したが、現在の日本ではその安倍首相自身が最も好戦的で、地域制限を撤廃した集団的自衛権の行使をめざしている。これが、国として最も危険な状態なのである。だから、法律上「文民統制」は外せないが、「文民統制」という言葉がありさえすれば国家として安泰というわけではない。
極めて好戦的な「文民」最高指揮官によって、日本は今、極めて危険な状態にある。こうなると、真近に迫って来た統一地方選挙で、安倍首相の率いる自民党を敗北に追い込まなければならないのである。それぞれの地域で、反自民の候補者を応援して、自民党を敗北に追い込む努力をしよう。(2015.3.12)
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