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第70号 とんでもない選挙結果だった

昔あったづもな通信 第70号
小澤俊夫

とんでもない選挙結果だった
 だが、いろいろな意味で、これが現在の日本の正確な状況なのだ。
森友・加計問題であれだけ疑問が出ていたのに、当事者である安倍首相を勝たせた。北朝鮮の脅威をまくし立てて恐怖心をあおる戦略にまんまと引っかかって、「日本を守る」などという嘘の宣伝にまんまと乗ってしまった。消費税を上げて、教育の無償化をするという、見え見えの飴にみんな飛びついてしまった。消費税を上げなくたって、大企業と富裕層への課税で教育の無償化はできるのに。
こんな簡単なだましに簡単にひっかけられる国民なのだということが、はっきりわかった。そういう国で、これから、言論の自由と平和憲法を守っていくにはどうしたらいいのか。
 日本会議に連なる極右の政治家、神社、お寺、職業団体は、庶民の生活の隅々に浸透している。今回の選挙でも、お祭りで神社に行ったら、神主さんが自民党支持を訴える挨拶をしたという体験談を聞いた。そういうレベルの政治運動に対して、われわれはどう戦っていくべきなのか。
 マスコミの態度も怪しかった。マスコミの力不足が一番露呈したのが、北朝鮮の脅威に対する態度だったと思う。安倍首相が「日本を守る」と叫んでいるのは、明らかに現在の北朝鮮のミサイル発射に対する日本人の不安感をあおるものだった。そしてそれは明らかに成功した。
Jアラームが発令され、子どもたちが防空頭巾をかぶって机の下に潜り込む姿が繰り返しテレビで流された。ぼくは、戦争中、「B29爆撃機に竹槍でたち迎え」と真面目くさって命令した軍人たちと同じ滑稽さを感じたのだが、こんな光景を初めてみた現在の多くの日本国民は、恐怖心を十分植え付けられただろう。そこへ、安倍首相が「日本を守る」と叫んだのだから、効果抜群だった。
北朝鮮のミサイル発射については、マスコミは事の本質を冷静に解説すべきだったのではないか。つまり、アメリカは、自分は核兵器を持ちながら、北朝鮮には持つことを許さないのである。北朝鮮は、イラクやリビヤがアメリカによってつぶされたのは、核兵器を持っていなかったからだと確信している。だから、核兵器を持っていればアメリカは攻めてこないだろうと考えている。つまり核の均衡状態があれば、アメリカにつぶされることはない、と信じているのだ。これは金労働党委員長の発言でよくわかる
しかも、核兵器は、超大国だけでなくインド、パキスタンなども持っているのである。北朝鮮もその核保有国に仲間入りをしたいのだ。それならば、北朝鮮にも核兵器の保有を認めて、世界の核保有国仲間に入れて、平和的関係国にして、核兵器を絶対に使わせない関係を築いくのが、外交というものではないのか。
そういう外交の可能性があるのに、安倍首相は全く言わないし、日本のマスコミもそれにほとんど触れない。韓国は、万が一北朝鮮が恐怖に駆られて核攻撃をし、戦争が始まったら、国が破滅することを知っているから、今でも外交交渉の必要性を唱えている。国民の間にも、トランプ訪問を拒否する強いデモンストレーションが起きた。
安倍首相の率いる日本政府は、アメリカに忠実であることばかり考えていて、アメリカの言うとおりにしていれば、「日本を守れる」と信じ込んでいる。だが、万が一、北朝鮮が追いつめられてミサイルを発射する場合には、アメリカ軍の基地がある沖縄がまず狙われることは確実である。本土にある基地も当然狙われる。それは普通の爆弾ではない。被害は広島、長崎と同じようになるのである。この危険が差し迫っているのに、アメリカの尻馬に乗って「北朝鮮への締め付けを強めよう」などと言う安倍首相とその政府にあきれる。それを強くいさめない日本のマスコミにも強い不信感を持つ。
その根底に、ぼくはふたつのことを感じ取っている。ふたつとも、残念ながら日本国民の心情の底の方に流れている弱点なのである。
ひとつは、朝鮮人に対する侮蔑の感情。日本は長いこと朝鮮を属国にしてきた。そこには強い侮蔑の感情が働いてきた。敗戦後はその感情は捨てたはずだが、北朝鮮に対してはまだ残っているように思う。韓国に対しては自由国家ということで連帯感が生まれているが、それでもあの「従軍慰安婦」に関しては認めようとしない。いわんや、北朝鮮に対しては、共産主義国家ということと重なって嫌悪感が先行してしまう。その嫌悪感を根底としてミサイル問題を考えるから、政治情勢の正確な判断ができなくなっているのだと思う。マスコミを含めて。 
もうひとつは、日中戦争から太平洋戦争を通じてずっとあった「長期的な、戦略的考察の欠如」である。日中戦争、太平洋戦争を通してロングスパンで考えてみると、日本政府と大本営は当時の日本の実力として絶対に不可能なことをしてきたことがわかる。昭和十二年(一九三七年)北京郊外の盧溝橋ではじめた日中戦争を、あの広大な中国本土全体に拡大してしまった。奥地の大都市、重慶まで爆撃した。日本の軍隊の規模から考えて到底カバーしきれない広大な土地を支配しようとした。あの広い中国で、中国軍を制圧し、中国政府を負かすことなど、普通に考えても不可能なことである。それを四年間も継続して国力を消耗した挙句、昭和十六年(一九四一年)アメリカを相手に真珠湾攻撃を仕掛けたのである。マレーシア半島とかフランス領インドシナ(現在のベトナムなど)を制圧することはできた。だが、その後、フィリッピン、インドネシアと戦線を広めるにしたがって武器弾薬の補給がうまくいかなくなった。制海権、制空権を連合国側に握られるようになり、本国からの軍隊の輸送も潜水艦に攻撃されて、無数の兵士が、戦地に着く前に海の藻屑と消えた。ガダルカナル島での日本軍の全滅は、当然の帰結だったのだ。だが大本営はそれを「戦略的方向転換」と言った。
先年、天皇陛下御夫婦が慰霊に行かれたリシュリュウ島は、日本から約三千キロも離れた島である。資源の乏しい日本が、三千キロも離れたいくつもの島に、制海権、制空権を敵に握られた状態で、多数の兵隊を送り、十分な補給ができるとは、誰も考えないのではないか。だが、大本営はそれを実行したのである。そこには、国家として不可欠な「長期的な、戦略的考察」が全くなかった。
ビルマ戦線についても同じだった。連合国から重慶への援助ルートを切断するという目的で、ビルマの北西部の都市、インパール攻略を計画し、実行した。数千キロの山岳地帯を進撃した。食料にするための豚や牛の背中に武器と弾薬を積んでいったという。ところが空襲にあうと、豚や牛は逃走し、食料と武器弾薬をいっぺんに失ったこともあるという。インパール攻撃どころか、日本の兵隊は、約三万人が餓死あるいは病死したという。(インパール作戦の悲惨な事実については、珍しくNHKがスペシャルで放映したことがある。)
ここでも長期的な、戦略的考察がないのである。当時のトップクラスの参謀たちが合議したはずなのに。
この大きな、基本的な弱点が今でもあちこちに顔を出す。北朝鮮の核兵器獲得の衝動の根源を見ようとしない。アメリカが核兵器を独占しようとしている悪辣な計画を見破ろうとしない。それどころか、いまだにアメリカにくっついていれば安全だと信じ込んでいる。それが、現在の安倍首相のトランプ大統領に対する振る舞いにはっきり表れている。あの媚びた振る舞いが、外国のメディアでは皮肉っぽく扱われているのに。
こんな安倍首相をいつまでも政権の座においてはいけない。次の選挙に向けて、われわれ国民は何をするべきなのか、急ぎ考えなくてはならない。(2017.11.11)
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